研究概要 |
1.垂直磁気記録用のPRML方式の検討 二層膜媒体を用いる垂直磁気記録における各種の16/17(0,6/6)符号化PRML方式の誤り率特性を計算機シミュレーションにより求め、比較検討した。その結果、高密度記録において、ジッタ性媒体雑音と白色ガウス雑音の電力の比σ^2_J:σ^2_Wが0:100の場合には、正係数PRML方式のPR(1,2,2,1)MLとPR(1,2,3,2,1)ML方式が良好な特性を示すのに対して、σ^2_J:σ^2_W=80:20の場合にはDC不平衡PRML方式のE^2PR3MLとE^3PR3ML方式が良好な特性を示すことが明らかとなった。また、各種3/4MTR符号化PRML方式の誤り率特性を計算機シミュレーションにより求め、比較検討した。その結果、高密度記録において、σ^2_J:σ^2_W=0:100の場合にはME^3PR2MLとPR(1,2,3,3,2,1)ML方式が、σ^2_J:σ^2_W=80:20の場合にはE^2PR2MLとME^2PR2ML方式が良好な特性を示すことが明らかとなった。 2.垂直磁気記録用シミュレーションシステムによる記録再生実験 昨年度構築した垂直磁気記録用シミュレーションシステムを用いた記録再生実験により、RLL符号を連接した縦続接続ターボ符号化・繰り返し復号化方式の検討を行った。その結果、RLL符号として64/65(0,8)符号を、PR方式としてPR2方式を用いて面密度57.3Gbit/inch^2の高密度記録を達成した。 3.ニューラルネットワーク等化の検討 ジッタ性媒体雑音とパーシャルイレージャ非線形歪を伴う長手磁気記録再生系において、ニューラルネットワーク等化によるPRML方式の誤り率特性を計算機シミュレーションにより求め、従来のトランスバーサルフィルタを用いた場合と比較検討した。その結果、高密度記録時にはニューラルネットワーク等化により特性改善が得られ、高密度垂直磁気記録へのニューラルネットワーク等化の適用が期待できることが明らかとなった。
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