研究分担者 |
花村 剛 株式会社メディアグルー, 技術開発部, 担当部長
亀山 渉 早稲田大学, 国際情報通信研究センター, 助教授 (90318858)
笠原 孝雄 早稲田大学, 国際情報通信研究センター, 教授 (50318854)
杉浦 麻貴 早稲田大学, 国際情報通信研究センター, 研究員
高橋 克直 早稲田大学, 国際情報通信研究センター, 研究員
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研究概要 |
今年度は,最終年度にあたり,画紋を用いた検索方式についてまとめ,システムを想定した方式検討を行っている. 画紋を用いた検索方式においては,動画像アーカイブ中の大量の動画像コンテンツから,ユーザが望む動画像を高速,かつ高精度に検索するための階層的な動画像検索手法を提案している.提案手法では,初めに,動画像の各フレームの平均色の時系列情報に対し,1次元のDCT(離散コサイン変換)演算・量子化を施し,各色成分のDCT係数の低周波部分を,単位時間の動画像特徴として抽出し,検索に用いることで,高速な動画像の絞り込みを実現する.ゴーストや色ずれが発生する現行のテレビ放送24時間の中から,15秒のCM34種類の候補を絞り込むことが3分弱で行える.そして次に,絞り込まれた動画像に対して,既提案の動画像検索手法の動画像検索を行うことにより,検索精度は既提案の動画像検索手法と変わることなく,約13倍の高速化,実際の放送時間と比べて約20,000倍の速度で検索が行えるという結果を得ている. 上述の提案方式が実装されるべき動画像配信システムには,ネットワーク上に大量の動画像コンテンツを蓄積する動画像アーカイブ装置を備えた配信サービスを行うことを想定している.本研究では動画像アーカイブから望む動画像を見つけるための手掛かり情報として画紋の概念を用い,実験から有用性を検証した.本研究では,像が多重映りするゴーストや色ずれが発生する現行のテレビ放送をMPEG-2に変換し,MPEG-2ストリームの各Intra(フレーム内符号)フレームのDC成分を用い,フレームの平均色情報を求めている.画紋を時間軸に投影して波形情報に変換し,画紋波形を拡大・縮小して比較することで動画像検索を実現している.同じ動画像が特徴的に繰り返し出現するCMの計数実験,CMの送出確認実験を行い,検出洩れ0過剰検出0の検索精度を得ている.
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