研究概要 |
(1)分割法による大規模スケジューリング問題の解法 遺伝アルゴリズムを用いて実用規模の問題を解くには,大規模な変数や制約を取扱わなければならないが,本来このアルゴリズムは解集合を扱うので大規模性に弱い特徴がある。そこで問題データの特徴をとらえて問題を分割し,最初は小規模な問題を解き,その解計算が収束する前に段階的に問題規模を増加させる方法を提案した。 (2)制約条件を柔軟に扱うための遺伝アルゴリズムの構成法 遺伝アルゴリズムを用いて最適化問題を解くときのもう一つの難点は制約条件の扱いにある。そこで,制約条件が新たに付加される毎に,それに対応する染色体を個体表現に付加することを提案した。このことにより,遺伝アルゴリズムの構成が条件の変化に対して適応的に行なえるので,柔軟に制約条件を扱うことができた。 (3)多様性を維持する遺伝アルゴリズムの構成法 ジョブショップスケジューリング問題に遺伝アルゴリズムを適用する場合に,多様性を維持する選択則を提案した。 (4)金型加工組立工程および電線加工工程への適用 現実の生産工程では,単なるジョブショップの問題はまれで,多くの場合複雑な制約がさらに付加されている。このような実際問題の例として金型加工組立工程があり,これに本解法を適用して,有効性を確認した。また,並列機械システムが複数個直列に結合したフローショップの問題の例として電線加工工程があり,これに本解法を適用して有効性を検討した。
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