研究概要 |
広い空間で複数の人間が働く場所で,複数のカメラの画像を分散協調的に処理することによって,人間を追跡するとともに、人間を識別するという目標を達成するために以下の研究を行った. 1.実画像から抽出される特徴の不確かさと,その特徴から得られる人の種類と位置に関する情報の不確かさを表現する確率モデルを構築するため,さまざまな実画像系列を既存のマルチカメラスシステムを用いて撮影し,画像から特徴を抽出し,人の位置,顔の位置を求める研究を行った.背景によって,使う特徴がことなることがわかった. 2.部分情報のモデルを作成するため,人の位置,人を見る方向,他の人による隠れなどによって,得られる情報がどのように変化するかの実験を行ない,観測条件と不確かさの関係を明らかにした. 3.対象環境に依存する確率過程のモデルと観測行動の関係の定式化のため,ドアが多数ある建物の廊下を対象環境とし,複数カメラの行動計画を立てる方法を検討した.それぞれのカメラが分散的に計画を作るためには,情報を考慮できないので,隣のカメラ受け持ちに関する情報は詳しくもち,それ以外に関しては近似する方法が有効であることがわかった. 4.パンチルトカメラを廊下に設置し,一台のカメラでいろいろな方向を見ることが出来るようにした.また,柔軟な処理を高速に行ないために,複数のパソコンの並列処理を行なう環境を整えた.
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