研究概要 |
今年度に予定された研究課題は次の通りである. (1)モデル集合の複雑度の定義と解析 (2)制御集合の複雑度の定義と解析 (3)実プラントへの応用と解析 (1)については,まず制御を考慮したモデル推定と選択の研究を行った.その結果,赤池情報量規準が制御器というフリーパラメータが存在する制御系設計の場にも拡張され得ることを示し,制御器の複雑度に関してトレードオフがあることを導くことができた.また,モデル集合同定に学習理論の概念を導入することを試みた. (2)に関しては,時不変な制御器では同時に安定化できない二つの制御対象を時変なスイッチング制御器を使うことで同時安定化する試みを行なっている.また,オンライン部分空間同定法を使うことによる適応的制御法,ロバスト制御側に時変パラメータを導入することによる適応制御法などの開発を行なった. (3)については,熱交換器の詳細モデルを作り,相変化や化学反応を伴う複雑な系のモデリング法について実システムに基づく考察を行なった.また高炉の同定・制御に関して,精密シミュレータを線形パラメータ変動システムとしてモデリングし,さらに線形行列不等式にもとづく制御系設計を行なうというアプローチを行ない,有意義な結果を得ている.
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