研究概要 |
本研究は,筋収縮と手の運動制御メカニズムの工学的な解明と,バイオミメティックアクチュエータの開発および上肢動力装具の試作を目的とし,ヒトの母指筋および肘関節筋を対象とした実験と解析およびバイオミネティックアクチュエータの開発を行ってきた. (1)上肢の神経-筋運動制御メカニズムの仕組みを解明するためには,筋運動制御系において機能的な最小単位となる運動単位の活動様式を解明する必要がある.本研究では,等尺性収縮時および等速度運動時において,上腕二頭筋の表面筋電図を,多チャンネルアレイ電極を用いて計測した.そして,ICAとテンプレートマッチングを併用した運動単位活動波形のデコンポジションシステムを開発した.その結果,30%MVC以下の等尺性張力で計測した筋電図から,運動単位を同定することが可能であること示した. (2)筋収縮力学実験において得られたモデルを用いた筋電義手の試作した.義手は三指(母指,指示,中指)から構成され,1自由度(開閉動作)を行う.技手の開閉速度の制御には,多機能ワンチップマイクロプロセッサ(日立製作所H8/3067F)を用いたデジタルサーボ系を用いた.本義手の特徴として,屈筋,伸筋の筋電図を用いて開閉角度とコンプライアンス(柔らかさ)を制御可能である.健常者を用いた義手の筋電制御実験を行い,所望の動作を行う事を確認した.
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