研究課題
本研究の目的は、寒冷地コンクリート構造物の診断を行い、その結果から保存・補強方法を決めるシステムを確立することにある。本年度は、構造物の健全度診断手法について検討を行った。1.診断手法の検討を行うにあたり、実構造物の調査を行った。測定項目は、外観調査、超音波伝播速度およびシュミットハンマーによる非破壊試験、中性化深さおよび鉄筋探査器によるかぶり深さである。さらに、構造物の温度解析を行った。温度解析による凍結融解回数の推定値は非破壊試験より得られた強度と良い対応を示しており、これらの試験、解析を併用することにより、構造物の健全度の診断が可能であると考えられ、寿命診断、補修・補強計画へと発展させることができると。2.現場の物性・劣化診断には現場透水・透気試験、塩分濃度試験、pH試験、強度試験などが主なもので、システムに従って診断できる。補強工法には塗装、FRPシート接着、外ケーブル法などがあり、これらの補強性能について明らかにしている。上述の各種補強工法について静的および動的実験を行い、補強効果、耐力-変形性能を明らかにしている。
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