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得られた主な研究成果は以下のとおりである。
1.複数の限界状態から構成される構造システム全体としての破壊確率算定法を構築した。個々の限界状態からの破壊確率算定は、既往の研究結果を参照し、そこからシステムとしての破壊確率を算定する場合には、高次の限界状態間の相関を考慮することで算定の精度を上げた。この構築した手法は、橋梁システムのみならず、他のシステムへの適用を図ることが可能である。
2.各種設計条件下での橋梁システムのライフタイムを考慮した地震時安全性評価法を検討した。地震荷重作用時の終局限界状態からの余裕の程度を数値的に置き換えたものが確率値である。そこで、耐用期間内の地震動の発生確率とその規模を算定し、動的解析モデルを使用することで、その地震動に対する地震時作用外力を算定した。構造物の終局限界状態を定義し、地震荷重作用時の終局限界状態からの余裕度の程度を確率値に変換した。これにより、ライフタイム内の対象橋梁システムの地震時安全性評価を定量的に把握することが可能となった。
3.ライフタイムを考慮した信頼性理論に基づく橋梁システムの耐震設計法を提案した。この結果、ライフタイム内の複数回の地震動を受ける橋梁システムがどの程度の地震に耐えられるか、構造物間の安全性が同定されているか、さらには地震時に損傷を集中させたい部位や部材の特定がなされているか、など耐震設計上重要な事項が検討可能となった。
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