研究分担者 |
佐藤 忠信 京都大学, 防災研究所, 教授 (00027294)
北浦 勝 金沢大学, 工学部, 教授 (70026269)
土岐 憲三 京都大学, 工学研究科, 教授 (10027229)
森川 英典 神戸大学, 工学部, 助教授 (70220043)
芥川 真一 神戸大学, 工学部, 助教授 (70231850)
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研究概要 |
1.断層を横断するパイブラインに発生する局部挫屈ひずみを推定する式を誘導して,台湾における豊原水道パイブラインの表層断層変位による被災状況に適用した.また,橋梁システムが,地表断層変位を受ける際の橋脚・桁の損傷確率を算定した. 2.京都市の要注意活断層の一つである花折断層を対象に,点震源による理論地震動とFDMによる数値解析を行って,やや長周期地震動のシミュシーションを行い,京都盆地の震動特性についての評価を行った. 3.1999年台湾・集集地震で地表面に現れた断層崖を対象に,断層崖近傍の建物被害特性について検討した.その結果,断層崖間際でも振動被害を受けていない建物が多く見られたこと,硬い地盤では断層崖の鉛直変位が大きくても地盤変状による建物被害への影響範囲は小さく,比較的軟らかい地盤では,断層崖の鉛直変位が小さくても断層線が分岐したりして地盤変状による影響範囲が大きくなることが知れた. 4,地震動の位相情報をベースとして断層近傍の地震動をシミュレーションする手法を開発した.また,これまでに観測された断層近傍の地震記録に基づいて地震動の位相特性をモデル化し,模擬したサンプル群遅延時間から断層近傍での位相スペクトルを求めることができるので,断層近傍の地震動をシミュレートした. 5.兵庫県南部地震後,神戸市難区石屋川公園地下300mに反射法地震探査で見つかった伏在活断層の浅部構造を,100MHzと35MHzの周波数を使って地中レーダ探査した。また,集集(台湾)地震や鳥取県西部地震で倒れた電柱を調査し,断層近傍の地震動の特性を示すデータを収集した. 6.前年度までに開発された強震動予測手法EMPRを用いた「断層の破壊方向を考慮した即時広域強震動分布推定法」について検討を行った.すなわち、地震発生直後に気象庁等の機関より発表される震源情報と強震動記録に基づき、断層長さや破壊方向などの震源パラメータを推定し、これをもとに、EMPRを用いた強震動分布を即時推定する手順について検討した.
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