分岐理論および非適合要素を用いた有限要素法による地盤のすべり機構の解明

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11450181
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 研究機関: 金沢大学
• 研究代表者: 矢富 盟祥 金沢大学, 工学部, 教授 (90135541)
• 研究分担者: 田村 武 京都大学, 工学研究科, 教授 (30026330) ; 浅岡 顕 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50093175)
• キーワード: 分岐解析 / せん断帯 / 有限要素法 / 非適合要素 / Cam-clayモデル / 有限変形理論 / 陰解法

研究概要

1.円柱および中空円柱供試体の非軸対称分岐解析
有限変形非共軸Cam-clayモデルを用いた円柱および中空円柱供試体に側方水圧一定条件の下で圧縮および伸長した場合の非軸対称変形における速度場および分岐荷重の厳密解のデータを種々の供試体寸法比の条件のもとで解析・整理し分岐モードと非共軸性との関係や,最大せん断ひずみ分布より,すべり面の初期発生位置・形態について詳細な検討を行い,周期性のある滑り面の発生やバルジモード分岐の可能性など実際の現象を非常によく説明できることが分かった.
2.大変形有限要素法による分岐解析プログラムの開発
弾塑性体中に生じるひずみの局所化・分岐解やせん断帯の生成過程を,通常の古典的なup-datedな有限要素法解析により解析すると,解のメッシュの数,大きさや形状依存性や数値解析の誤差とみなされるアワーグラス・モードがしばしば発生する.そこで,それらを回避する目的で,まず,今年度は,精度がよく,解のメッシュ寸法依存性が少ない陰解法による弾塑性有限要素法の研究を行った.ニュウトン・ラフソン法およびその2次収束性の速さを維持すべくコンシタンシーマトリクス,さらにリターンマップを使うことにより非常に高速、かつ精度がよく解のメッシュ寸法依存性が少ないプログラムが開発できた.

研究成果

• [文献書誌] Yasuhiro Katoh,他4名: "Ground deformation mechanism around a shield tunnel by the passage of the tail boid"Proc. of the 2nd Int. Nat. Synpo. on Pre-failure deformation. 725-730 (1999)
• [文献書誌] 矢富盟祥他1名: "Cam-clayモデルを用いた2層弾塑性体の分岐解析"応用力学論文集. Vol.2. 371-382 (1999)
• [文献書誌] 橋本他2名: "鉄筋コンクリート梁内のき裂の進展挙動と破壊モードに関する研究"応用力学論文集. Vol.2. 15-19 (1999)
• [文献書誌] C.Yatomi: "Conditions for the Localization of Deformation infinite Elastic-Plastic Deformations"Proc. of 4th Int. Conf. on Localization and Bifurcation Theory. 209-218 (1998)
• [文献書誌] C.Yatomi 他1名: "On the energy release rate by the Path/Independent E-integral and J-integral for Quasi-Static Crack Growth"Theoretical Studies on Fracture Mechanics. Vol.1. 87-98 (1998)
• [文献書誌] C.Yatomi 他1名: "Antisymmetric Bifurcation Analysis in a Circular Cylinder of a Non-Cruxial Cam-Clay model"Proc. of the Int. Symp. on Deformation and Failure. 9-64 (1997)