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1999 年度 実績報告書

不規則波浪場の下での底泥移動機構解明と三次元数値モデルの構成

研究課題

研究課題/領域番号 11450187
研究種目

基盤研究(B)

研究機関横浜国立大学

研究代表者

柴山 知也  横浜国立大学, 留学生センター, 教授 (40143391)

研究分担者 片山 裕之  横浜国立大学, 工学研究科, 助手 (50303079)
岡安 章夫  横浜国立大学, 工学研究科, 助教授 (20213994)
合田 良実  横浜国立大学, 工学研究科, 教授 (90205584)
キーワード波浪場 / 底泥 / 底質移動
研究概要

本年度は、海底に堆積した底泥が浅海域に伝播する表面波や流れの作用によって再び輸送される物理過程の数値モデルを、新たに局所的な傾斜の効果を含めて二次元問題のレベルで試作した。底泥を粘弾塑性体と仮定し、また水層を粘性流体と仮定して、底泥の挙動を表す理論解を、泥層内の含水比の鉛直分布を含めて導き、二次元造波水路における、質量輸送速度、地形変化量などの実験結果と比較した。その結果、粘弾塑性体モデルは界面波高の減衰などの物理現象を精度良く説明できることがわかり、また、傾斜した泥の輸送についても適用可能であることを確認した。現地の泥浜を観察すると、緩やかな局所的勾配が存在するため、本研究によるモデルの拡張は、底泥移動場を評価する際に重要である。次に現実の海岸に適用可能とするために、底泥移動の外力となる、砕波帯内の乱れを含む圧力場・流速場を予測する数値モデルを試作した。このモデルは渦動粘性係数の値を場所的、時間的に変化させることにより乱流現象を表現しており、砕波による乱流発生機構の評価に改良の余地が残されているものの定常流速場、波高減衰、圧力場などを説明しうる。さらに、現地波浪の下で、底質砂泥の準3次元移動モデルを作成ことを目指して、現地における砂移動の観測を行なった。現地海岸では、砂は砕波による乱流あるいは底面における摩擦力によって局所的に巻き上げられる。その際、浮遊後にその場に沈降するものと、浮遊したまま移流するものがあり、この区別を明確にすることに現地レベルの観測で成功した。今後は以上に述べた素過程を統合し、それぞれのモデルを用いて波の場、海浜流の鉛直方向の分布を算定し、さらに本研究で求めた浮遊砂泥の鉛直分布と組み合わせることにより底質移動量を算定することを目指す。この移動量を底質の連続式に代入し、干潟に代表されるような泥浜の地形変化を予測することが可能となると期待できる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 片山 裕之: "連続採水による現地砕波帯浮遊砂濃度および粒度分布の変化"海岸工学論文集. 46. 571-575 (1999)

  • [文献書誌] 柴山 知也: "掃流砂と浮遊砂を統一的に取り扱う砕波帯内漂砂量モデル"海岸工学論文集. 46. 601-605 (1999)

  • [文献書誌] 柴山 知也: "傾斜泥層の波による輸送量モデルとその実験による検証"海岸工学論文集. 46. 581-585 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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