研究概要 |
本年度は,4年間にわたる研究の初年度である.研究代表者と分担者は,それぞれ下記の研究を行った.岩田は,形式の異なる砕波を同時に引き起こす"トリプル砕波"の発生限界とPTVによる形式別の砕波内部構造を,流速・渦度と関連づけて解明したが,波面の破れ現象の撮影に成功しなかった.また,表面張力を考慮した波面方程式を誘導した.江藤・竹原は,砕波による波面破れ付近の流れ場の画像解析手法を検討した.すなわち,ダブルパルスNd:YaGレーザーを使い,トレーサとして50ミクロンナイロン粒子を採用して,1008(H)×1018(V)画像コリレーションCCDビデオカメラを使って撮影した.撮影された画像を,江藤・竹原が開発したPTVのSuper-Resolution KC法で解析して,水表面近傍の微細な流れ構造を計測した.後野は,水表面近傍での力学的境界条件を破れを調べるための実験装置として,水面位置-圧力多点同時計測装置の開発を試みた.予備実験を繰り返し,開発した計測器の精度の向上に努めた.川崎は,砕波による気泡群に着目し,水中マイクロホンを使用して、高周波数圧力変動の実態を明らかにした.そして,200Kz以上の高周波数圧力変動は,砕波により生ずる気泡群の運動によることを明らかにすると伴に,Plesset・Prosperetti の理論を適用できることを明らかにした.さらに,CIP法にもとずく、気液混相流体場の数値解析手法の開発を試みた.
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