研究分担者 |
竹原 幸生 近畿大学, 理工学部, 助教授 (50216933)
後野 正雄 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10116080)
江藤 剛治 近畿大学, 理工学部, 教授 (20088412)
鷲見 浩一 金沢工業大学, 工学部, 講師 (10314048)
川崎 浩司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20304024)
|
研究概要 |
今年度は,4年間にわたる研究の3年目にあたる.研究代表者と分担者は,下記の研究を遂行した. 岩田は,気泡連行に及ぼす表面張力波の効果を検討した. 江藤・竹原は,100万枚/秒で100枚以上連続上書き撮影できるビデオカメラを開発した.このカメラを用いて,これまで詳細が不明であった以下の一連の過程を撮影することに成功した.(1)水滴が水表面に当たり気泡が強制連行される過程(2)その後水膜が生成してある条件下では水表面に泡が形成される過程(3)さらにその泡が壊れて多数の微小水滴が生成し,飛散する過程.現在これらの諸過程の詳細な分析を進めている. 後野は,砕波瞬時の波形を数値解析で求める砕波詳細数値解析法の開発を試みた. 鷲見は,2次元水理実験を行い,以下のことが明らかにした.(1)波峰前面に微小な擾乱部が形成され,この擾乱部に発生するくぼみから気泡が波内部に取り込まれことが明らかになった.(2)波峰擾乱部に発生するくぼみは表面張力波と推察され,表面張力波が表面付近に発生させた渦の相互干渉が気泡の流体内部への混入に寄与している.(3)気泡の流体内部への取り込まれる過程は3種類のパターンに大別され,入射波の進行方向に対して水平方向と鉛直方向に気泡が混入するケースと気体が巻き込まれるように流体内部に取り込まれるケースであった. 川崎は,連行気泡の基本特性を明らかにするために,静水中を上昇する気泡の運動を取り上げ,上昇気泡に伴う水中圧力の時間周波数特性を水理実験より検討し,気泡の拡張・収縮といった振動によって水中圧力の高周波数成分は気泡発生地点からの距離に反比例の関係で減衰すること,気泡の連行に伴い水中音が発生して要ることを解明した.さらに,CIP法と拡張SMAC法に基づく固気液多層流数値モデルを2次元と3次元に対して開発し,その妥当性を検証した.
|