研究課題
基盤研究(B)
今年度は、4年間に亘る研究の最終年度にあたる。研究代表者と分担者は下記の研究を行った。岩田は先ず、鷲見と共同して、超高速デジタルカメラ(4500枚/秒)を使って水理実験を行い、気泡の生成状況を詳細に計測することにより、波頭部前面に表面張力波が形成され、この表面張力波による凸凹乱れが気泡を波動内部に取り込むことにより波面が破れることを指摘した。また、岩田は研究の総括を行った。江藤・竹原は、まず画素周辺記録型撮影素子(ISIS)を開発し、これを使って世界で始めて100万枚/秒の超高速度・高感度のビデオカメラの開発に成功した。ついで、現在最も解像力の高いPTV法の代表格のKC法(:Kalman filtering and Chi-square test)を改良して、超高速ビデオカメラ(100万枚/秒)を使い、気液界面での気泡の破裂現象を詳細計測し、気泡の生成と消滅に関する重要な知見を得た。後野は強非線形ポテンシアル理論を使う波変形の数値計算を行い、波頭前面部に形成される"圧力集中特異点"が波面の破れを引き起こすと指摘した。川崎はFFT法と離散ウェーブレット変換による解析を行い、気泡生成後、水中圧力の高周波数成分が増大し、水中音波が発生することを見いだした。そして、その音圧力は気泡発生地点からの距離に反比例して減衰し、無指向性の点源からの球面波伝播理論により予測できることを見いだした。更に、CIP法と拡張SMAC法に基づき、3次元固気液多相流数値モデルDOLFINを開発し、その妥当性を検証した。鷲見は、超高速ビデオカメラ(4500枚/秒)を使った水理実験を行い、内部流速場、気泡混入機構と波面の破れについて考究し、気泡混入過程に4パターンがあることを明らかにした。
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