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1999 年度 実績報告書

自然エネルギーを利用したダム湖・貯水池の水質改善に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11450189
研究種目

基盤研究(B)

研究機関九州大学

研究代表者

小松 利光  九州大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50091343)

研究分担者 管 和利  芝浦工業大学, 工学部, 教授 (70052884)
櫨田 操  日本文理大学, 工学部, 教授 (70131969)
中村 武宏  長崎大学, 環境科学部, 教授 (70039692)
松永 陽一郎  佐世保重工業株式会社, 陸上設計部, 次長
井上 徹教  九州大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70311850)
キーワード水質改善手法 / 栄養塩溶出 / 溶存酸素 / リン / 窒素 / 堆積物
研究概要

本研究では溶存酸素(DO)の豊富な表層水を貧酸素化した底層部に送り込む水質改善技術を提案している。
平成11年度は本システムの有効性を確認するために、現地に設置された隔離水界を用いて実験を行い、水質改善効果について検討した。さらに本システムの稼動によって底層における水質だけでなく、栄養塩溶出の供給源である堆積物についても改善効果が見られることが想定できるので、コア・バッチ系室内実験も合わせて行った。
現地での隔離水界実験の結果より、10m四方の隔離水界内に流量0.2(l/sec)で表層水を底層部に連続的に供給すると、堆積物直上のDO濃度はわずかながら回復し約1mg/Iに維持された。このような低いDO濃度によっても栄養塩の溶出はほぼ完全に抑制され、COD等の指標でみても明解な水質改善効果が認められた。さらに、この水質改善効果は間欠的な供給によっても期待できる事が、現場観測及び数値解析結果より示された。
またコア・バッチ系室内実験の結果より、底層部への表層水供給を行っている隔離水界内の堆積物による酸素消費速度(SOD)が、供給を行っていない隔離水界内の堆積物のSODより小さいことが確認できた。さらに、底質分析を行うことにより本システムによる底質改善効果について検討したところ、表層水供給を行った隔離水界内部の堆積物では、強熱減量、全炭素、全窒素含有量の減少が認められた。これらは、表層水供給により夏季においても底層は微好気条件に保たれ、生物的な有機物分解が進行した結果と考えられる。
以上の結果から、本システムは底層における生物的分解作用を健全なかたちで促進させ、水質及び堆積物環境を改善するものと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 小松利光: "閉鎖性水域底層への表層水供給による水質改善効果"海岸工学論文集. 第46巻. 1111-1115 (1999)

  • [文献書誌] 小松利光: "底層への間欠的な表層水供給による水質改善効果の検討"水工学論文集. 第44巻. 1113-1118 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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