研究課題/領域番号 |
11450189
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小松 利光 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50091343)
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研究分担者 |
井上 徹教 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (70311850)
押川 英夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (80311851)
安達 貴浩 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (50325502)
櫨田 操 日本文理大学, 工学部, 教授 (70131969)
中村 武弘 長崎大学, 環境科学部, 教授 (70039692)
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キーワード | 水質改善 / 表層水供給 / 貯水池 / 溶存酸素 / 栄養塩溶出 / 水温成層 |
研究概要 |
本研究では、密度成層により嫌気化した底層へ、溶存酸素を豊富に含む表層水を供給する水質改善システムを提案している。平成11年度においては、隔離水界を用いた現場実験及び未撹乱堆積物コアを用いた室内実験により本システム稼動に伴う水質改善効果が定性的に示された。平成12年度においては、本システムの供給水量の変化による水質改善効果の応答を調べる目的で、同隔離水界を用いた現場実験を行った。 実験装置は表層水を送水する水上ポンプ部と、送られてきた表層水を冷却し底層部へ放出して混合させる水中部から構成されている。現場実験は2000年7,8月に行った。供給水量は3段階に変化させ、それぞれ約1週間表層水を連続供給した。システム稼動中は多項目水質計により底層水質を連続的に観測した。観測項目は水温、電気伝導度、溶存酸素濃度、pH、濁度、酸化還元電位とした。さらにシステム稼動前後の水質鉛直分布を多項目水質計により、底層栄養塩濃度を採水により測定した。その結果、DO濃度に関しては0.05l/sの場合には効果が見られず、0.10l/s・0.20l/sの場合には共に0.5mg/l程度のDO濃度の回復が見られた。また、いずれの供給流量においても栄養塩濃度低減効果が確認され、その効果は流量の増加に伴い顕著となった。 以上の研究結果より、本システムによる水質、底質改善効果が定量的に確認された。
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