研究課題/領域番号 |
11450197
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤原 健史 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90229071)
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研究分担者 |
高岡 昌輝 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80252485)
武田 信生 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20026256)
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キーワード | 廃棄物処理 / ごみ焼却炉 / 熱分解・燃焼 / ダイオキシン / 熱重量分析 / 電気炉実験 / 燃焼排ガス / ごみ細組成分類 |
研究概要 |
本研究はごみ焼却炉のおいてダイオキシン類に代表されるハロゲン化芳香族炭化水素化合物の排出を抑制するための精密燃焼技術の構築を目指しており、そのためにはまず、種類や形状の違いによるごみの熱分解・燃焼特性の変化を把握し、実ごみの熱分解・燃焼モデルを構築することが必要と考えた。そこで、数ミリグラムの少ないサンプルで温度と重量の関係を正確に定量化できる熱重量分析計(TG)による実験と、数グラムのサンプルで形状の影響も調べることができる電気炉による実験を行ない、ごみの熱分解・燃焼特性を求めた。以下に、両実験の方法と成果を要約する。 (1)家庭ごみ細組成ごとの熱重量分析 京都市の家庭ごみ細組成調査で報告されている各組成ごとに、TGを用いて熱分解特性を調べた。また、熱分解を一次反応と仮定したときの反応速度定数(アレニウス式、パラメーターは頻度因子と活性化エネルギー)を求めた。さらに、家庭ごみの細組成の割合で合成した摸擬ごみについて熱分解特性を求め、各組成ごみの熱分解特性と比較することにより、加成性がほぼ成り立つことを示した。 (2)電気炉による固形廃棄物の熱分解・燃焼挙動の解析 固形ごみをのせたアルミ皿を電気炉内で吊るして重量変化を測定するとともに、排ガス中のO2、CO、CO2、NOx、SO2を連続分析することのできる装置を製作し、紙類、厨芥類、プラスチック類のごみサンプルについて熱分解および燃焼実験を行った。その結果、炎燃焼の期間と熱分解残さ燃焼の期間は明確に分けられること、燃焼が内部に進むほど低酸素濃度で熱分解雰囲気となりCO濃度が高くなること、生成する各種成分の濃度はごみの見かけ密度、雰囲気温度、含水率の影響を受ける、などの知見が得られた。
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