研究課題/領域番号 |
11450198
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
工藤 章 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (00281113)
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研究分担者 |
佐々木 隆之 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (60314291)
松井 三郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (90092808)
菅原 正孝 大阪産業大学, 工学部, 教授 (60026119)
窪田 卓見 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (90335240)
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キーワード | 環境プルトニウム / 分析 / 教育 / プルサーマル / 訓練 |
研究概要 |
平成13年度においては、引き続き代表申請者・研究分担者の選任した最低4名の大学院生・助手クラスの研究者について、最も基本的な環境試料中プルトニウムの分析方法の教育・訓練を行ってきた。すなわち、環境試料、特に苔・土壌等の灰化、収率トレーサの添加、加圧酸分解と濃縮、ろ過、分解濃縮液中プルトニウムの酸化数調整、イオン交換樹脂によるプルトニウムの分離と濃縮、電着操作とアルファ線スペクトロメトリー法による測定、測定データの分析評価法の習得を目指した。訓練を受けた研究者は、(1)対象試料の性質により、灰化時間、酸および添加剤の種類・濃縮操作等を適切に調整しなければ、試料中プルトニウムと収率トレーサの同位体平衡が成立せず、大きな分析誤差を生じる、(2)添加する収率トレーサの量が不適切であれば、計数誤差が生じる、等の様々な間題が発生すること等を学習した。さらにあらゆる問題に対処できるには、上記の教育・訓練後も数年以上の分析経験と実技指導が必要であると考えられる。代表申請者らの経験を基に、化学および放射線に関する基礎的な素養のある者に対しこれら一連の操作を、指導者一名がついて指導した上で、約2-3ヶ月を必要とした。さらに、この操作に習熟した分析者により、我が国の環境試料中のプルトニウムの分析を実施した。例えば土壌では、試料ごとにマトリクス成分の組成比や天然有機物の含有量が異なるため、個々の試料に最適の手法を選択する必要があった。しかしこの問題は、上記の教育訓練における実践経験に基づき、的確に判断することができ解決された。得られた結果を基に、環境プルトニウムの地球的移行挙動に関する知見をまとめた。
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