研究課題/領域番号 |
11450200
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
久場 隆広 九州大学, 工学研究科, 助教授 (60284527)
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研究分担者 |
山西 博幸 九州大学, 工学研究科, 助手 (20240062)
大石 京子 九州大学, 工学研究科, 助手 (20110835)
楠田 哲也 九州大学, 工学研究科, 教授 (50037967)
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キーワード | 機能性高分子ゲル / 下水処理 / 脱窒脱リン / メタン脱窒 / 高度処理 / 光刺激応答性ゲル / 温度刺激応答性ゲル |
研究概要 |
従来、リン・窒素の生物学同時除去法として嫌気-無酸素-好気(A_2O)法が用いられてきたが、本研究では、Post-denitrification法としてのAOAシステムの開発を目指している。その基礎研究として、硝化菌包括固定化担体としての光応答機能性ゲルの利用、脱窒条件下での脱リンの促進、メタンを用いた脱窒の試みについて検討した。 (1)光刺激応答性ゲルの物性と硝化促進:光応答機能性ゲルとして、クロロフィリン(CH)を導入たイソプロピルアクリルアミド(NiPAAm)を検討した。光刺激に応じたCHによる局所熱生成により、NiPAAm-CHゲルの膨潤・収縮現象が観察された。5CHのCH濃度条件下で、また、体積相転移温度に近い34℃の温度条件下で非常に大きな体積変化がおきることが確認され、この条件下において、連続光刺激により3倍程度の膨潤率が繰り返し期待できた。硝化活性の促進も確認されたものの、しかしながら、その活性化の理由としては、体積相転移による効果よりも、CH導入にともなう化学的影響や熱力学的影響によるものであると推察された。 (2)脱窒条件下における脱リン:AO法汚泥及びA_2O法汚泥を用いて、脱窒脱リン活性の有無を検討したところ、明らかに両汚泥にその活性が認められた。同時に、脱リン脱窒活性が優れているほど、亜酸化窒素の生成が抑制される傾向にあった。 (3)メタン脱窒の可能性:窒素及びリンの同時除去を行う際、下水中の有機物量が律速となることから、嫌気性汚泥消化過程でふんだんに生成される、C_1化合物であるメタンを唯一の炭素限とする脱窒を試みた。
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