研究課題/領域番号 |
11450208
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤井 栄 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70144334)
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研究分担者 |
近藤 吾郎 千葉大学, 工学部, 助教授 (30195896)
河野 進 京都大学, 工学研究科, 助手 (30283493)
佐藤 裕一 京都大学, 工学研究科, 助手 (20293889)
田才 晃 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (40155057)
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キーワード | 鉄筋コンクリート / 補強材 / 応力-ひずみ曲線 / 付着すべり / ひびわれ / せん断 / 曲げ / 連続繊維 |
研究概要 |
1.柱梁接合部内、梁部材内での主筋の付着性状に起因する復元力特性の変化に着目し、梁降伏型キの字平面骨組モデルによる地震応答解析を行った。規模を3、5、12階建とし、梁部材の履歴モデルにTakeda slipモデルを用い、塑性率4における等価粘性減衰定数heqを11〜30%まで変化させ、数種の地震波に対して解析した。その結果、地震波や建物規模によっては、履歴ループのピンチ化が地震応答に大きな影響を及ぼす場合があることが認められた。 2.鉄筋とFRP繊維メッシュを用いたハイブリッドコンクリート部材の軸引張試験、曲げ実験を行った。弾性範囲では個々の材料特性モデルの累加で剛性評価が可能であるが、鉄筋塑性化以降は繊維メッシュによって塑性化、ひびわれ幅拡大が抑制され、両補強材間の相対ずれ特性(一体性の喪失過程)に支配される特性が現れた。正負繰り返しに対しても通常のRCにみられない復元性が付与されることがわかった。 3.応力-ひずみ特性の異なる補強材の横拘束軸圧縮実験を実施した。この結果、補強材剛性を用いて共通の評価が可能であること、低剛性材によるひずみ軟化領域靭性改善作用や弾性、弾塑性横拘束材の横拘束機構の相違を明らかにした。 4.梁部材のせん断実験を実施し複合トラス機構モデルの妥当性を検討した。この結果、せん断スパン比の異なる場合の曲げの影響、カットオフ、二段配筋等の主筋配置に起因する付着応力分布の変化、ひびわれ性状の変化に起因する寸法効果を新たに考慮できるモデルに改良する必要があることが判明した。 5.ふし形状の影響を考慮した付着すべりモデルを用いた有限要素法解析を実施した結果、コンクリートのひびわれを考慮することで、拘束の良好な場合の鉄筋降伏後の定着特性を精度よく再現できた。次に、拘束の十分でない曲げせん断部材中での付着割裂特性に及ぼすふし形状の影響を調査する実験を計画し、現在、実施中である。
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