研究概要 |
最終年度として総括を主体とした。ハワードの著作を読み直すとともにWard S.V. (Ed.) : The Garden City Past, Present and Future, E & FN Spon, Melbourne, 1992を素材に田園都市計画思想の再評価を試みた。 昨年度からの作業として、R.ホームRobert HomeのOf Planting and Planning The making of British colonial citiesを翻訳刊行することができた。(植えつけられた都市 英国植民都市の形成、ロバート・ホーム著:布野修司+安藤正雄監訳、アジア都市建築研究会訳,京都大学学術出版会,2001年7月)。具体的なまとめの作業としては、ケープタウンのパインランズについて、また、C.C.リードとコーネル・ライト・ガーデン(アデレード)について論文をまとめた。また、インドでカルカッタのガーデン・ハウスが面的に建設されたチョウリンギー地区について論文をまとめることができた。バーナムのバギオ、マニラ、リードのクアラルンプール、リチャーズのシンガポール、ポントのスラバヤ・マラン、カールステンのスマランなど、東南アジアをめぐっては、残念ながら論文をまとめるに至らなかったが、英領マラヤについて先行してある程度の情報を整理することができた。東南アジアのニュータウン計画の分析については、必ずしも十分な展開ができたとは言えない。特にターゲットとしたインドネシアが経済危機、政治危機で思うような資料が収集できなかったからである。
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