12年度は以下のような3種類の調査研究を行った。 1.被災地における共同建替え事業にかかわったコンサルタント及び住民代表調査-共同建替えを行った90事例についてかかわったコンサルタントと住民の代表にアンケート調査を行った。その結果コンサルタントの行った主たる業務の性格が明らかになった。企画・計画的業務、調整的業務、事務局的業務などに高い割合で携わっており、総じて事業実施段階までの業務に多いことがわかった。 2.分譲マンションの一般建替えでかかわったコンサルタント調査-マンションの一般建替えにおける成功事例と失敗事例を取り上げて、かかわったコンサルタントに業務の性格などをヒヤリング調査した。コンサルタントのかかわりの時期が有志の段階と管理組合として正式に建替えの取り組みを決めた後の時期の二段階があること、コンサルタントの役割として、充分で正確な情報を全員に知らせること、合意形成プロセスを適切に進めていくことなどが重要であることが明らかにされた。 3.外国における集合住宅リノベーションでの専門家の役割調査-集合住宅の更新で先進的事例を有するデンマークとイギリスにおける集合住宅リノベーションにおけるコンサルタントなど専門家の業務について調査を行った。わが国との諸条件の大きな相違点があるが専門家としての業務の明確化が大いに進んでいることなど多くの知見が得られた。
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