研究課題/領域番号 |
11450234
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 名古屋工業大学 (2000) 東北大学 (1999) |
研究代表者 |
隅山 兼治 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70101243)
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研究分担者 |
櫻井 雅樹 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80235225)
今野 豊彦 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (90260447)
日原 岳彦 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (60324480)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | クラスター / 遷移金属合金 / プラズマ・ガス中凝集法 / 状態図 / 透過電子顕微鏡 / 電気伝導 / 電子状態 |
研究概要 |
本研究を通して、次ぎのことが明らかにされた。 1)プラズマ・ガス中凝集クラスター堆積装置に2種類の金属ターゲットを配置し、5-10nmサイズの合金クラスターを発生させ基板上に堆積した。透過電子顕微鏡観察、EDX分析により、a)化合物形成型Co-Al合金クラスターの場合、組成揺らぎが最も小さく中央組成ではB2型規則相が形成される、b)規則相形成型Co-Pt合金クラスターの場合、組成揺らぎがやや大きくなり不規則相が形成される、c)全率固溶型Co-Pd合金クラスターの場合、組成の揺らぎが大きく不規則相が形成される、d)非固溶型Nb-Ag合金クラスターの場合も、不規則固溶体が形成されるが、組成は2山状に分布する。 2)Coクラスターの室温における磁化過程のサイズ依存性を測定し、超常磁性/強磁性転移の臨界サイズが約8nmφであることを明らかにした。 3)Coクラスター表面を酸化させ、基板に堆積したCo/CoOコア・シェルクラスター集合体において、トンネル型電気伝導・磁気抵抗効果、クーロンブロッケード効果が観測された。更に、磁気緩和現象において、温度の1次に比例する古典的熱活性型緩和から温度に依存しない量子トンネル型緩和へのクロスオーバーが約8Kで生じることが判明した。 4)Co,Cu,Ti,Cr表面を酸化させたコア・シェルクラスター集合体の電気伝導は、Cuの場合の除き、酸素導入量の増加にともない、抵抗温度係数が正の金属状態から最終的には指数関数的な半導体状態へと変化する。その途中の状態では、高温で金属的なTに比例した温度変化、低温では-logTに依存する温度変化を示し、電子が弱局在の状態にある。現在、電子状態について検討中である。尚、コア・シェルクラスター集合体は微量ガス検出用センサーや触媒として有用であると考えられる。
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