研究課題/領域番号 |
11450239
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
山田 裕 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (10242835)
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研究分担者 |
松下 明行 物質・材料研究機構, 材料研究所・物性解析研究グループ, サブグループリーダー
久保 衆伍 島根大学, 総合理工学部, 教授 (30294359)
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キーワード | 強相関酸化物 / 高圧物性 / 高圧X線回折 / マキシマムエントロピー法 / 高温超伝導体 |
研究概要 |
本研究は強相関酸化物及び強相関系合金の加圧下での電子及び原子構造変化を研究することを目的としている。 本年度は強相関酸化物の中でも低次元伝導面を有するPrBa_2Cu_4O_8酸化物及びRuSr_2GdCu_2O_8酸化物超伝導体、Fe_2VAl合金についてさまざまな研究を行い以下のような成果を得た。 (1)PrBa_2Cu_4O_8酸化物の単結晶を育成し電気抵抗の結晶異方性を調べることによりこの物質の金属的伝導はCu02面によるものであることが明らかとなった。またこの単結晶の精密な結晶構造を明らかにした。さらに角度分解光電子分光測定によりこれら物質の電子構造も明らかにした。 (2)RuSr_2GdCu_2O_8酸化物超伝導体において強磁性と超伝導が共存することを明らかにし、この強磁性の影響で超伝導の圧力依存性が小さい可能性があることを示した。 (3)3d遷移金属強相関物質であるFe_2VAl合金の単結晶の合成に成功しその物性を明らかにした。これによりこの物質が巨大磁気抵抗効果を示すのはFeクラスターによることが明らかになった。また組成をコントロールすることにより大きな熱電能も観測された。同様の傾向はFe_2TiSn系でも起こった。さらにこの系でp型n型を制御することに成功し、電子構造に擬ギャップが存在することを示した。 そしてこれらの結果を総合的にまとめ報告する。
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