研究課題/領域番号 |
11450249
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉川 信一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10127219)
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研究分担者 |
高橋 昌男 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (00188054)
田村 紘基 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10002023)
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キーワード | 機能性セラミックス / 液相合成 / 複酸化物 / 微粒子 / ゾルーゲル法 / イオン交換 / ナノハイブリッド |
研究概要 |
(1)硝酸亜鉛と硝酸インジウムの混合水溶液に、クエン酸をはじめとするカルボン酸系の有機化合物を添加したのちに熟成して得られるゲルを350℃で焼成すると、自己燃焼反応が起こり透明導電体(ZnO)_mIn_2O_3の粒径100nm程度の微結晶が生成することを前年度までに見出した。しかし、この生成物では一次粒子の凝集が激しかった。そこで酢酸水溶液に浸潰して溶出反応を調べたところ、反応開始から30分間で亜鉛が選択的に溶出して更に高導電化できる可能性が拓けるとともに単分散化することが明らかになった。 (2)上記と同様な自己燃焼反応によって、バリウムフェライトBaFe_<12>O_<19>の合成を試みた。硝酸鉄を鉄源とすると、水溶液中で生成するアコ錯体が加水分解するためか、焼成後の生成物はα-Fe_2O_3とBaFe_2O_4の混合物であった。そこで鉄EDTA錯体又は鉄アセチルアセトナート錯体を鉄源とすると、バリウムフェライトの単一相が生成した。生成物の結晶子径は約100nmでほぼ単磁区粒子となる臨界径に近かった。750〜900℃でアニール処理することによって、飽和磁化58.5emug^<-1>、保磁力5.5kOeに最適化できた。 (3)水酸化ナトリウム水溶液に対して、硝酸マグネシウムと硝酸アルミニウムのモル比2:1混合水溶液をpH=10に保ちながら滴下して、ハイドロタルサイト様混合水酸化物の単一相を得た。逆に水酸化ナトリウムを滴下して得られる生成物に比べて結晶性が高く、またアモルファス部分を伴わないためにBET表面積も大きく14m^2/gであった。さらにpH=7に保った水溶液からのイオン交換反応によってアデノシン三リン酸(ATP)を層間に取り込んだ層間化合物を生成した
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