研究課題/領域番号 |
11450256
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研究機関 | 湘南工科大学 |
研究代表者 |
幾田 信生 湘南工科大学, 工学部, 教授 (30277941)
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研究分担者 |
森井 亨 湘南工科大学, 工学部, 講師 (50230090)
谷本 敏夫 湘南工科大学, 工学部, 教授 (90179854)
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キーワード | 複合材料界面特性 / シランカップリング剤 / ガラス繊維複合材料 / 熱分解分析 / 顕微FTIR / 繊維埋蔵引抜試験 / 樹脂変性 / シラン剤縮合体 |
研究概要 |
複合材料の界面特性を解明するために、主にシラン処理されたガラス繊維を用いて繊維埋蔵したミクロコンポジットから、分子論的および機械的評価を行うことにした。両者の結果から複合材料の強化繊維と樹脂間に形成される界面領域の構造とその機能性について検討した。 本年度では、1.それらの処理されたシラン剤が樹脂に及ぼす効果について顕微FTIRから検証することにした。2.シラン剤を水溶液中で予め縮合させて、繊維上でガラス繊維と結合しやすい構造を検討することにした。3.樹脂と直接反応し得るシラン剤の割合を検証できる方法を模索した。以上についてそれぞれ次のような結論が得られた。 1.ガラス繊維上のシラン剤が樹脂の硬化反応に影響して、100μm程度の幅を有する樹脂変性領域が繊維束周辺に形成することが分かった。その変性領域の幅は繊維上のシラン剤の結合性によらず、シラン剤の量に依存した。この変性域はシラン剤による繊維束周辺の局所的異常性がもたらしたと見られた。 2 シラン剤を水溶液中で攪拌させ、縮合体オリゴマーを生成させ、繊維に処理した。その結果、分子量とともに化学的結合の割合が増えるのではなく、むしろある分子量を超えるとガラス繊維の結合率を低下させることが分かった。分析の結果、界面の強度は縮合体の分子量とシラノール基の存在割合に影響されることが分かった。 3.シラン剤と樹脂の反応割合を検討するために、シラン処理後のガラス繊維に蛍光プローブであるジメチルアミノナフタレンスルフォニルクロリド(DNS)を反応させた。蛍光顕微鏡を用いて蛍光の定量化を試みた。その結果、この方法はシラン剤処理層の樹脂に対する反応性を調べるのによい方法であることが認められた。
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