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2000 年度 実績報告書

安定および準安定偏晶反応を利用した鋼中の酸化物および硫化物の微細分散に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11450258
研究機関東北大学

研究代表者

石田 清仁  東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (20151368)

研究分担者 大沼 郁雄  東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20250714)
貝沼 亮介  東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20202004)
キーワード硫化物 / 形態制御 / 鉄鋼 / 状態図 / 溶解度積 / 共晶 / 偏晶 / 凝固
研究概要

Fe-Cr-S系の硫化物形態について,その生成過程と機構を明らかにするためにCALPHAD法による熱力学的解析を行うとともに共焦点走査型レーザー顕微鏡により硫化物の生成のその場観察を行い,次の結果を得た。
1.Fe-Cr-S合金における硫化物の形態には,板状,粗大球状,および微細球状の3種類が存在し,その形成機構はそれぞれ共晶,偏晶および再融反応により生成する.
2.板状硫化物は初晶Feのデンドライト間にSが濃縮した最終凝固部にネットワーク状に生成する。
3.比較的大きな球状硫化物はL_1→δ+L_2の偏晶反応によって生成し,数ミクロンの大きさを呈する。
4.微細球状硫化物は,δ→γ+Lの再融反応に伴い,δから固溶度の小さいγへ変態的に排出されたSが形成する硫化物であり,主に結晶粒内に析出し,また1350℃以下の比較的低い温度で生成するため1ミクロン以下の非常に微細球状となる。
粒内析出する微細球状硫化物はCr濃度が増加するにつれて粒径が小さくなる傾向にあり、これは再融反応または共晶反応開始点に起因するものと考えられる.
5.Fe-Cr-S系の状態図の熱力学的解析を行った。鋼中におけるCrSの固溶度はCr濃度によって変化するが,1%程度のCr濃度では次の様に表せる。
log[Cr][S]liq=3.89-4500/T, log[Cr][S]δ=3.35-6550/T
log[Cr][S]γ=3.43-7307/T, log[Cr][S]α=5.32-9068/T

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] K.Oikawa: "Morphology Control of Sulfide in Fe-Cr-S Alloy during Solidification"Mater.Res.Soc.Symp.Proc.. 580. 369-374 (2000)

  • [文献書誌] K.Oikawa: "Thermodynamic Calculation of Phase Equilibria in the Fe-Cr-S System"ISIJ International. 40. 182-190 (2000)

  • [文献書誌] H.Ohtani: "Calculation of the Fe-rich Fe-Mn-S Ternary Phase Diagram"High Temp.Mater.Process. 19. 197-210 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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