研究課題/領域番号 |
11450265
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研究機関 | (財)電気磁気材料研究所 |
研究代表者 |
渡辺 雅人 (財)電気磁気材料研究所, 付置研究所・薄膜材料グループ, 主任研究員 (40249975)
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研究分担者 |
丹羽 英二 (財)電気磁気材料研究所, 付置研究所・機能材料グループ, 研究員 (40201694)
中山 孝文 (財)電気磁気材料研究所, 付置研究所・機能材料グループ, 主任研究員 (40164363)
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キーワード | Fe-Pt系永久磁石合金 / 規則格子相合金 / 単結晶 / 最大エネルギー積 / 溶液成長法 |
研究概要 |
研究代表者等はc軸配向したFe-Pt系合金薄膜において、35MG・Oe以上の薄膜として最高の最大エネルギー積を得ており、バルクFe-Pt系合金においても結晶方位の制御によってその磁気特性が大きく改善される事が期待される。 そこで、本系合金の単結晶を作製して磁気特性の結晶方位依存性を追究し、磁石形態の多様化に対応し、磁石特性を有効に引き出せる条件を探る事とした。なお、CuAu型規則合金のひとつであるFe-Pt系合金は双晶が発生しやすいため良質な単結晶を作製する事は難しく、報告例も少ない。 本研究の最終年度ではFe-37at%Pt組成に加えて、バルクFe-Pt磁石として最も良好な特性の得られているFe-39.5at%Pt-0.75at%Nb合金を熱伝導率の低い鋳型材を用いた精密鋳造法によって作製し、熱処理を加えた結晶粒の粗大化、単結晶化を図った結果、約2mmに達する結晶粒が得られた。また、比較的低い温度で単結晶が作製できるとされる溶液成長法も試みた。この時溶媒としてFe-Pt-Bの擬2元系合金を用い、大きな温度勾配を有する成長炉中での晶出を図った。 Fe-37at%Pt組成の単結晶において640℃での時効処理後の磁気特性の方位依存性を調べた結果、保磁力最大となる時効時間45時間の場合には磁化容易軸[001]および困難軸[100]方向で差が確認できなかったが、時効時間を280時間程度まで延長した場合に磁化困難軸方向の2倍の保磁力が、磁化容易軸である[001]方向で得られた。
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