研究課題/領域番号 |
11450267
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
三澤 俊平 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (70005982)
|
研究分担者 |
酒井 彰 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (70136422)
田辺 博義 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (70125376)
|
キーワード | 孔食内部溶液環境 / 低合金綱介在物腐食 / 介在物MnS / イオンクロマトグラフィ / 顕微ラマン分光スペクトル / 微小pH電極 / 吸着水素脆性 |
研究概要 |
初年度は、本研究課題の遂行のための実験研究をほぼ順調に行うことができ、得られた成果は以下の3つにまとめられる。 1 最初に、イオンクロマトグラフィ装置を組み立て、局部腐食反応関与の各種カテオンおよびア二オンを用いた検量曲線実験を行うことができた。 2 1 項の予備実験結果を踏まえて、原子力圧力容器用低合金銅JlS SQV2A(ASME533B)材中の」MnS介在物の優先溶解箇所の電気化学サイクリックボルタモグラム(CV)-顕微レーザーラマン分光-イオンクロマトグラフィ-システムによるその場観察研究に発展させた。鉄マトリックスが不動態化しMnSが優先溶解するアルカリ性PH13の水溶液中の腐食電位、アノード分極電位において、S^<2->、Fe^<2+>、Fe^<3+>に帰属されるピークが観察された。いずれの電位においても溶解度が小さい可溶性Mn^<2+>に帰属されるピークは観察されなかった。ラマン分光測定から、波数1060cm^<-1>付近にM-S^<2->結合に帰属されるピークが観察された。アルカリ性水溶液中のMnS介在物の優先溶解に、本研究で観察された初期反応生成物であるS^<2->を考慮したモデル図を提案した。 3 併せて、MnS介在物での優先溶解局部やFe-Cr合金孔食内部の腐食反応に伴う酸性化(pH低下)を実測するための、微小pHセンサー電極の試作開発を試みた。直径10ミクロンのW細線を300〜350℃で空気酸化処理することにより、W酸化物の溶解が生じない酸化物安定なpH5.2以下の酸性領域で、ネルンスト式の電位勾配-0.0591 V/pHに従う良好な微小pHセンサーの機能を見いだした。
|