研究課題/領域番号 |
11450268
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
金児 紘征 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (20006688)
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研究分担者 |
多田 英司 秋田大学, 工学資源学部, 助手 (40302260)
田口 正美 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (90143073)
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キーワード | 電解析出 / 金属薄膜 / 界面現象 / 高純度 / 亜鉛 |
研究概要 |
前年度に亜鉛薄膜を二液相界面電析法で一様に成長させるための基本的な実験操作法を確立させ、良好な亜鉛膜成長のための実験条件を探索した。 本年度は前年度に得られた結果をふまえ、高純度薄膜を得る視点から、亜鉛薄膜の成長過程および生成物の純度に不純物がどのように影響するかを系統的に調べた。不純物として鉄イオン、銅イオン、鉛イオンを個別添加、また、複合添加した溶液を用いた。 その結果、(1)亜鉛膜成長については溶液中に銅イオン、鉄イオンが添加された場合、電析初期には一様成長してもしばらくすると枝状成長し、良好な亜鉛薄膜が得られなかった。これに対し、鉛イオンが添加されると、その濃度が極めて低濃度であるにもかかわらず、何も添加しない場合に比べてかえって一様成長しやすくなった。(2)生成膜中の不純物濃度については、水溶液そのものの純度、従来の水溶液電析による亜鉛中の不純物濃度、本研究の二液相界面電析法による亜鉛膜中の不純物濃度を比較検討した。銅イオン濃度については水溶液中に比べ、従来法、二液相界面電析法いずれも生成亜鉛中に濃縮した。鉄イオンについては水溶液中、生成物中で濃度に有意な差はみられなかった。鉛イオンについては、添加した硫酸鉛が水溶液中で極めて難溶塩で極微量の溶解度であるにもかかわらず、従来法の生成物中に顕著に濃縮された。二液相界面電析亜鉛膜中にはあまり濃縮されなかった。また、膜が成長するにつれ、後から成長した部分の亜鉛濃度は低下した。 これらの結果より、亜鉛薄膜におよぼす不純物の影響について基礎的な知見が得られ、高純度化のための不純物除去についての重要な指針とすることができた。
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