研究概要 |
新しいアプローチ法の提案は,材料開発における新解析法に留まらず,製品の内部組織を制御する方法などへの発展と応用が見込まれる。4年間実施した本研究課題の最終年度となる本年度は、これまでに得た数々の成果を一般化(普遍化)する系統的な取りまとめを最重点とした。その際必要とする補足実験や更なる発展を目指した試行測定として,粉末などの独立分散相だけにとどめず,焼結多孔質体組織の空孔形態やその分布特性,更には結晶粒度まで視野に入れ,定量キャラクタリゼーションを実施した。 補足実験や試行測定で得た新たな知見は,以下のようである。 1.種々の方法を用いて,多孔質体の空孔を,空孔量または空隙率,孔径および分布,空孔形態ならびに分布,液体および気体の透過性,比表面積などで調査し,連結空孔構造なでについても考察して,多孔質体の定量評価方法について研究を進めた。この際物質や材料の種類を問わず,自製や購入可能な資材で,しかも同一試験片を用いて系統的に実施した。 2.粉末の磁性焼結製品の組織を構成する空孔を測定し、製品の機能特性(磁性)と空孔形態の定量特性との関係を探索した。空孔形態特性のみならず,更に結晶粒度の計測値を加え,焼結材料特性との関連などを定量解析する手法を提案した。 新たな提案やそれに基づく斬新な知見は,材料を選別する単なる基礎資料に留まらず,材料の内部組織を制御する各種方法に定量評価を可能にして,新材料や新製品の開発に指針を与える。
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