研究概要 |
従来、超音波ワイヤーボンディング使用されている40,60kHz帯および100,110kHz帯より更に高い振動周波数を用いることにより十分な接合に必要な振動速度・振動振幅が小になり、溶接時間も短縮可能で、更に330kHz以上では接合の方向性が無くなる顕著な効果がある。また従来は一次元の直線振動を用いているが、2次元の楕円、円形または長方形、方形の複合振動を用いることにより接合性能が顕著に向上する。これらの総合してIC,LSI等の半導体チップのフェイスダウン、フリップチップによる基板への半田無しの直接接合、水晶振動子、SAWデバイス等のパッケージの直接封止等の超音波マイクロ溶接が可能になると期待される。 より大面積の高周波数、複合振動の超音波マイクロ溶接を可能にする目的で、780kHzの直交した2組の直径7.0mmの縦振動源で直径7.0mmの先端部が楕円、円形の複合振動をする曲げ振動棒を駆動する複合振動系を構成した。この複合曲げ振動棒の端部近くには複合振動系保持用の固定用フランジ、さらに振動速度変成用の段付き部を設けてある。複合曲げ振動棒の自由端は直径5.0mmで、従来の溶接チップを設置可能で、また自由端全体を溶接チップとして使用可能である。最大振動速度0.35m/s以上(駆動電圧24Vrms)が得られている。 また、複合振動超音波マイクロ溶接用に直径40mm〜30mmの縦振動系で複合振動変換器部を駆動する振動周波数27kHz、40kHz、60kHzおよび100kHzの3mmx3mmの楕円振動軌跡の溶接チップ4カ所を有する複合振動超音波溶接装置を構成し、アルミニウム薄板試料等の溶接条件、溶接状態を比較、検討した。100kHzでは27〜60kHzに比べて必要振動振幅がかなり小さくなる。溶接チップ面積は更に大きくすることが可能である。
|