研究課題/領域番号 |
11450287
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
新井 邦夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10005457)
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研究分担者 |
渡邉 賢 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40312607)
伯田 幸也 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30250707)
阿尻 雅文 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60182995)
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キーワード | 超臨界水 / 水熱合成 / 金属酸化物微粒子 / 粒子生成機構 / 小角X線散乱法 / in-situ測定 / 溶解平衡 |
研究概要 |
金属塩水溶液を原料として流通式反応装置にて超臨界水中で水熱合成反応させることで数nm〜数100nmの単分散な金属酸化物微粒子が得られる。本研究では本手法における微粒子生成過程および成長のin-situ観察(臨界核径の測定)と金属酸化物の溶解度測定、推算から粒子生成および成長の定量的モデル化を行うことを目的とする。 昨年度は、高温高圧反応場のin-situ測定が可能なダイヤモンドフローセルを作成し、粒子径の測定が可能なシステムを開発した。本年度は、昨年度開発した小角X線散乱法による粒度分布測定用装置により高温高圧水条件での粒子径測定の確立を行った。測定系として硝酸バリウム、鉄-水酸化カリウム混合ゾル水溶液からの磁気微粒子であるバリウムヘキサフェライト合成を用いた。これまでの研究で、原料溶液を200〜250℃で予熱したのちに超臨界条件で反応晶析させることで、80nm程度の非常に単分散な微粒子が得られることがわかっている。ここでは、原料溶液を50〜200℃まで予熱したときの、反応場の粒子の様子の観察をおこなった。50〜100℃では常温の場合と同程度の強度の散乱が観察でき、ゾル溶液中には20nm程度の粒子が存在していた。しかし、200℃では反応場からの散乱スペクトル強度が減少したが、粒子径自体の変化は見られなかった。このことは散乱源である水酸化物ゾルの溶解を示唆しており、水酸化鉄の溶解度の推算結果とも一致する。以上の結果から水酸化物が予熱過程により溶解し、均相溶液からの析出により微粒子が生成したことがわかった。このように、高温高圧である水熱合成場における粒子径を測定する手法の開発を行うことができた。
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