研究課題/領域番号 |
11450293
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
諸岡 成治 九州大学, 工学研究科, 教授 (60011079)
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研究分担者 |
筒井 哲夫 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (40037982)
坪田 敏樹 九州大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10304750)
草壁 克己 九州大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30153274)
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キーワード | ダイヤモンド / 表面修飾 / 薄膜 / 気相合成法 / 水素化 |
研究概要 |
水素化表面ダイヤモンドをラジカル開始剤である2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)と塩素化剤である塩化スルフリル(SO_2Cl_2)を溶かしたクロロホルム溶液中に懸濁し、ラジカルによる水素の引き抜き反応による塩素化を試みた。塩素化反応後、求核試薬である、H_2O、各種アミン、アジ化ナトリウム(NaN_3)を反応させて求核置換反応による官能基の導入を試みた。H_2Oを反応させた場合、拡散反射FT-IRスペクトルに、C-H結合に帰属されるピークは消失し、ベースラインが傾いた。塩素ガスにより塩素化を行ったダイヤモンド表面は、H_2Oとの反応により酸化されることが報告されている。しかし、有機液相中でラジカル反応による塩素化反応を行うと、含酸素官能基に帰属されるピークは確認できず、気相中での塩素化とは異なる結果となることがわかった。 塩素化後、n-ブチルアミンを反応させたダイヤモンドのIRスペクトルには、C-H結合に由来するピークが現れた。しかし、N-H結合に帰属されるピークは現れなかった。急速熱分解により生成する炭化水素の量は1-2×10^<-5>mol g^<-1>であった。生成した炭化水素及び含窒素化合物の量から、ブチルアミノ基がダイヤモンド表面に存在すると仮定して表面被覆率を見積もると、2.5%程度であった。 塩素化後、各種アミン(トリエチルアミン、フェネチルアミン、プロピルアミン、エチレンジアミン)を反応させたダイヤモンドのIRスペクトルは、n-ブチルアミンのスペクトルと大きな相違は見られず、N-H基に帰属されるピークは現れなかった。熱分解による脱離量は、いずれも1-4×10^<-5>mol g^<-1>程度であった。したがって、各種アミノ基はダイヤモンド表面に多数は導入されていないと考えられる。
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