研究課題/領域番号 |
11450307
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
触媒・化学プロセス
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金田 清臣 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (90029554)
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研究分担者 |
海老谷 幸喜 大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (50242269)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | グリーンケミストリー / 分子状酸素 / 酸化反応 / 炭酸ガス固定化反応 / 炭素-炭素結合形成反応 / ハイドロタルサイト / ヒドロキシアパタイト / 金属クラスター |
研究概要 |
本研究では、無機結晶性化合物および金属クラスターの表面特性を利用して高機能化触媒の開発を行い、グリーンケミストリーを指向した新規分子性触媒プロセスの開発を行った。分子状酸素および過酸化水素といった環境に負荷をかけない酸化剤を用いて、各種炭化水素類の選択的酸化反応を見出した。また、新規に開発した固体酸塩基触媒を用いて、炭酸ガスの固定化反応および炭素-炭素結合形成反応も行った。 1、選択的酸化反応 ハイドロタルサイトの基本層の構成するアルミニウムを、触媒活性種であるルテニウムカチオンで交換すると、ルテニウムカチオンが基本層内でお互いに孤立して存在することを明らかにした。本触媒は、分子状酸素を酸化剤とするアルコール類の酸化反応に特異な触媒活性を示す。また、基本層にコバルトカチオンを共存させると、芳香族化合物の酸素化反応をも進行させる強力なルテニウム種を生成させることができた。 次に、生体硬組織の主成分であるヒドロキシアパタイトのカチオン交換能を利用した精密触媒設計を行った。高いカチオン交換能に基き、ルテニウムカチオンを容易に表面単核種として固定化できた。本触媒は、アルコール類やアミン類の酸素酸化反応に優れた活性・選択性を示すことを見出し、単核構造に基く反応機構を提案した。 また、分子状酸素を酸化剤とする芳香族化合物のアセトキシル化反応に極めて高い触媒活性を示す巨大パラジウムクラスターの調製方法を確立した。 さらに、過酸化水素を酸化剤とする選択的酸化反応として、塩基性ハイドロタルサイト触媒によるオレフィン類およびピリジン類のmonooxygenation型反応を見出した。 2、炭酸ガス固定化反応 上記ハイドロタルサイトを焼成して得られる酸塩基両機能を利用すると、炭酸ガスのエポキシド分子への付加反応を、温和な条件で効率よく進行させることができた。酸化物表面のアルミニウム、マグネシウムの配列を原子レベルで決定し、本反応において、隣接する酸点と塩基点が、それぞれ炭酸ガス、エポキシドの活性化に重要であることを示した。 3、炭素-炭素結合形成反応 層状粘土鉱物モンモリロナイトの層間へ、種々の多価金属カチオンを導入でき、この時金属カチオンを選択すると、酸性を制御できる。特に、チタンカチオンを層間に固定化すると、芳香族化合物のアルキル化反応が効率よく進行することを見出した。
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