研究概要 |
燃料電池の燃料として水素が必要とされているが、メタンの部分酸化反応は弱い発熱反応のため小規模な水素生成法として期待されている。格子内にNi原子が含まれているヘキサアルミネート複合酸化物を高温処理した触媒を用いて、N_285%,CH_410%,O_25%というガス組成で部分酸化反応実験を行うと、SV12,0001/kghという高流速条件でも、生成ガスは低温からほぼ平衡に達し、高温でも安定な活性を示した。この触媒は水蒸気改質反応においても高活性で高効率で水素を製造した。 次にメタノールからの水素製造とCOの除去について、担持Cu触媒を用いて検討した。担持濃度が低い場合には、担体によって、触媒活性は大きく異なり、高表面積を持つZnAl_2O_4を担体に用い、Cu濃度が高い場合に高いTOFを示した。また活性点には、XRDで検出されるCu種とXRDにピークを与えないCu種が存在した。粒子径の大きなCu種の反応性が高いということが明らかになった。この触媒系では、ほぼ、COを副性することなく水素を生成した。 最後に、内部改質型の固体酸化物形燃料電池を用いて、メタンを電極上で水蒸気改質し水素を合成し、発電実験を行った。燃料極のNi-YSZサーメットに、CaO, SrO, CeO_2などの塩基性酸化物を添加するとコーク生成速度が大幅に低下した。とくに、CaOを添加したときには、内部改質速度が大幅に上昇する傾向が見られた。発電特性もCaOの影響は僅かで、電池の性能を低下させることなく、燃料の改質が電極上で起こることが明らかになった。
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