研究概要 |
今年度、我々は、MFI、MCM-22、MCM-41といった各種ゼオライト朴及びメソポーラスマテリアルの合成、反応への適用、キャラクタリゼーションについて検討した。 MFIゼオライトは、従来のコフィン型結晶とはモルフォロジーのことなる、ナノ粒子の集合体である物の合成が可能になった。これをもちいることで、コフィン型結晶にはないメソ細孔を有したMFIゼオライトとしての特性を発揮した反応が可能となることがわかった。 MCM-22ゼオライトはベンゼンとほぼ同等の大きさのミクロ孔をもち,形状選択性触媒として期待されている。本研究では既往のゼオライト合成法である水熱合成法ではなく,当研究室独自のドライゲルコンバージョン法によってMCM-22を得ることに初めて成功した。MCM-22を用いてトルエンのアルキル化を行ったところ,USY、ZSM-5など他のゼオライトよりもMCM-22は高活性で、高いパラキシレン選択性示すことを見出した。 一方で、MCM-41をはじめとするシリカメソ多孔体は、触媒担体などとしての利用が期待されている。MCM-41は一般にシリカ源、界面活性剤、アルカリ源を混合し、水熱合成工程を経て得られる。ところが、本研究では、CTMABrをテンプレートとしてシリカメソ多孔体を合成する際に、原料にアンモニアを加えておくと水熱合成工程を経ることなく、原料の混合、かくはん、乾燥工程のみで迅速にMCM-41が合成できることを見出した。現在、その結晶化機構について検討中である。
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