本研究は、脂質修飾グリコース(糖)加水分解酵素を用いて二酸化炭素超臨界流体中での位置選択的グリコース(糖)転移反応を行うことを目的として行い、以下の成果を得た。 受容体としてのアルコール分子(R-OH)を変えて配糖化化合物を合成した。 耐圧反応容器の窓部分にジンクセレン(ZnSe)板を用いることにより赤外吸収スペクトルが測定できるようになったので、超臨界流体中で温度や圧力を変えた時の酵素の構造変化をスペクトル的に調べた。 酵素として、これまで脂質修飾法を用いて有機溶媒中で成功してきた、リパーゼ(エステル加水分解酵素)、キモトリプシン(ペプチダーゼ)、コレステロールオキシダーゼ、などについても超臨界二酸化炭素中での反応を試みた。 超臨界流体として二酸化炭素よりも極性が高いフルオロホルムを用いた。フルオロホルムは26℃、87気圧で超臨界流体になり、圧力と温度を変化させることによりジオキサンからフロロホルム程度の極性を持ち、より酵素反応に適していることがわかった。
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