油田土壌由来の通性嫌気性細菌HD-1株に複数のbiotin化タンパク質が存在することを明らかにした。そのうちの2種は原核細胞では例のない100kDaを越える巨大biotin化タンパク質であった。120kDaのbiotin化タンパク質の遺伝子を単離し、その構造を明らかにしたところ、biotin carboxylase、biotin carboxyl carrier protein及びcarboxyltransferaseに対応する3つのdomainから構成されていることが判明した。組換え型の120 kDa biotin化タンパク質はacetyl-CoA carboxylaseおよびpropionyl-CoA carboxylase活性を有し、既存のacetyl-CoA/propionyl-CoA carboxylaseとは異なる新規な構造を有する酵素であることが明らかとなった。超好熱始原菌Thermococcus kodakaraensis KOD1株のゲノム上に存在するRubisco様遺伝子が、実際に高い炭酸固定能を有する酵素をコードしていることを明らかにした。本遺伝子が転写翻訳され、Rubiscoがタンパク質として存在していることも明らかにした。本酵素がlarge subunitのみから構成されること、および新規な10量体、五角形構造を有することを明らかにした。原核生物では初めてATP-citrate lyase遺伝子を単離し、本酵素の構造を明らかにした。既存のATP-citrate lyaseと異なり、原核生物のATP-citrate lyaseが2つのpolypeptideからなるhetero-enzymeであること、活性には両subunitが必須であることを明らかにした。
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