HD-1株において、4種類のbiotin化タンパク(130kDa-BP、120kDa-BP、70kDa-BP、19kDa-BP、BP=Biotinylated Protein)の存在が示唆された。120kDa-BPの遺伝子を単離し、その塩基配列を決定した結果、推定分子量121.4kDa、1154aaをコードする3462bpから成る単一のORF上に、acetyl-CoA carboxylaseに特徴的な3つの機能であるbiotin carboxylase(BC)、biotin carboxyl carrier protein(BCCP)およびcarboxyltransferase(CT)遺伝子と相同的な領域が存在することが判明した。In vitroでは本酵素はacetyl-CoA carboxylase活性を有した。 超好熱始原菌Thermococcus kodakaraensis KOD1のゲノム上に存在するRubisco様遺伝子が、実際に高い炭酸固定能を有する酵素をコードしていること、および本遺伝子が転写翻訳され、Rubiscoがタンパク質としてKOD1株内に存在していることを明らかにした。超好熱始原菌由来Rubiscoがlarge subunitのみから構成されること、および新規な10量体、五角形構造を有することを明らかにした。さらに、組換え型Tk-Rubiscoの結晶化に成功し、X線解析の結果、2.8Angstromの分解能で本酵素の立体構造を明らかにした。 我々はまたChlorobium limicolaを題材として、原核生物のATP-citrate lyase遺伝子を単離し、本酵素の構造を明らかにした。既存のATP-citrate lyaseと異なり、原核生物のATP-citrate lyaseが2つのpolypeptideからなるhetero-enzymeであること、活性には両subunitが必須であることを明らかにした。また、原核生物のATP-citrate lyaseがcitrate synthase活性をもたないことを示した。また、oxaloacetate、ADPにより酵素活性が阻害されることから、本酵素が還元的TCA回路の回転方向や速度を調節していることを示した。
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