1)スラブ光導波路化学センサー構築:ポリアクリルアミド修飾光導波路の作製を試み、技術的問題をほぼ解決した。すなわち、膜厚2μm程度の陰イオン交換基および陽イオン交換基を担持したポリアクリルアミドゲルにより表面修飾したスラブ光導波路を作製し、メチレンブルー(陽イオン)やメチルオレンジ(陰イオン)などの色素により、その性能を評価した。その結果、メチレンブルーは陽イオン交換基を担持した薄膜に、またメチルオレンジは陰イオン交換基を担持した薄膜に強固に担持され、また、スラブ光導波路分光法により、これらの色素の吸収スペクトルの測定が可能であった。 2)固液界面の解析装置の試作と応用:昨年度までに試作した光導波路を用いた蛍光検出装置に関して、フォトンカウンティング法を適用することにより、約100倍の高感度化を達成することができた。また、UV領域まで測定可能な測定装置の検討を行ったが、360nm程度までの領域までしか測定できず、さらに短波長域まで測定することは、来年度の課題となった。また、屈折率変化の測定可能なITOスラブ光導波路測定装置を試作し、電波反応の測定に応用した。 3)キャピラリー型光導波路の開発と評価:テフロンAF-2400製キャピラリーセルを鉄鋼試作中の硫黄の分析に適用し、期待通りの性能を得ることが出来た。また、コアもクラッドも液体の波・液光導波路装置の改良を行い、2相に分離する系以外の混じり合う溶媒同士でも液・液光導波路の形成が可能であることを見出した。
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