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2002 年度 実績報告書

電子スペクトルの高精度予測のための基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 11450325
研究機関埼玉大学

研究代表者

時田 澄男  埼玉大学, 工学部, 教授 (20008866)

研究分担者 中原 弘雄  埼玉大学, 理学部, 教授 (10008849)
岩本 一星  埼玉大学, 工学部, 教授 (90008871)
勝部 昭明  埼玉大学, 工学部, 教授 (70008879)
太刀川 達也  埼玉大学, 工学部, 助手 (20251142)
野口 文雄  埼玉大学, 工学部, 助教授 (40008842)
キーワードPPP分子軌道法 / New-γ / 電子吸収スペクトル / インドアニリン / フェノキサジン / カタ縮合多環芳香族 / Parametrization / ZINDO分子軌道法
研究概要

電子吸収スペクトルの高精度計算を非平面分子に対応させるため、σ電子とπ電子を同時に扱う半経験的プログラム(Zindo法)にnew-γを導入した新規プログラムについて、PPP分子軌道法に対して用いたパラメトリゼーションが有効であるかどうか検討した。すなわち、ベンゼンと、ナフタレンからナフタセンまでのポリアセン類を用い、分子中の芳香環の員数lからnew-γのk値を算出する式を作成し、カタ縮合多環芳香族化合物について、それぞれのk値を用いたnew-γにより極大吸収波長を求め、実測値と比較した。その結果、new-γを用いない従来のZindo法と比較して、new-γを用いた方がよりよい実測値の再現性を示し、その実測値の再現性は、吸収極大波長の良い再現性を示すとされていたπ電子系のみを扱うPPP法と同等であった。また、計算したカタ縮合多環芳香族化合物の中で、分子構造がより平面からずれているフィヨルド構造を有する化合物について、new-γを用いたZindo法とPPP法を比較した結果、あきらかにZindo法の方が良い実測値の再現性を示すことが明らかになった。
PPP法を用いた色素化合物の実測値の再現性の検証も続けており、本年度は、当初の予定通り、酸や光により無色体から着色体に変化するロイコ色素の発色構造として重要であるインドアニリン類やインドフェノール類、フェノキサジン類やフェナジン類、及び、インジゴ類について検討を行った。まず、最初に中心原子が炭素であるジアリールメタン類について検討した。new-γを用いた計算値が実測値をより良く再現した。また、中心原子が窒素であるが、カチオン性を有しないキノンイミン型の色素についてnew-γによる計算値は実測値をよく再現することがわかった。しかしながら、中心元素が窒素であり、カチオン性であるフェノキサジン、フェノチアジン、フェナジン系列の化合物については、従来法より実測値の再現性は向上しているものの、炭素類似体と比較して計算値に実測値とのずれがみられた。そのずれは、フェノキサジン、フェノチアジン類と比較して、フェナジン類で大きかった。フェナジン類に対して、末端の窒素上のメチル基に対しヘテロ原子モデルを用い、炭素骨格の構造について種々検討した結果、実測値の再現性の良い条件を得た。

  • 研究成果

    (13件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (13件)

  • [文献書誌] Y.Kubo, S.Ohara, S.Tokita: "Metal Ionically-Controlled Optical Signaling Based on Chromoionophore-Drived Calix[4]crown"Supramol. Chem.. 14. 2-3,171-177 (2002)

  • [文献書誌] 時田 澄男, 木戸 冬子, 杉山 孝雄, 渡部 智博, 時田 那珂子, 東 千秋: "原始軌道の様々な可視化の組合せとその波動性の表現"J. Chem. Software. 8. 7-16 (2002)

  • [文献書誌] H.Shiroishi, T.Shoji, T.Nomura, S.Tokita, M.Kaneko: "Visualization of Electrochemical Measurements under Finite Conditions using JAVA and its Application for Assisted Learning (2)"J. Chem. Software. 8. 41-46 (2002)

  • [文献書誌] H.Shiroishi, Y.Kaburagi, M.Seo, T.Hoshi, T.Normura, S.Tokita, M.Kaneko: "Virtual Device Simulator of Bipolar Photogalvanic Cell"J. Chem. Software. 8. 47-54 (2002)

  • [文献書誌] H.Shiroishi, Y.Kaburagi, M.Seo., S.Tokita, M.Kaneko: "GetValue for Windows -Graph Digitizer Equipped with Electrochemical Analyzer"J. Chem. Software. 8. 37-40 (2002)

  • [文献書誌] T.Tozawa, S.Tokita, Y.Kubo: "An Allosteric Crown Ether-Induced Activity Control for the Cleavage of a Phosphodiester Bond"Tetrahedron Lett.. 43. 3455-3457 (2002)

  • [文献書誌] Y.Kubo, S.Ishihara, M.Tsukahara, S.Tokita: "Isothiouronium-Derived Simple Chemosensors of Anions"J. Chem. Soc., Perkin Trans. 2. 1455-1460 (2002)

  • [文献書誌] M.Hojo, T.Ueda, M.Yamasaki, A.Inoue, S.Tokita, M.Yanagita: "^1H and ^<13>C NMR Detection of the Carbocations or Zwitterions from Rhodamine B Base, a Fluoran-Based Black Color Former, Trityl Benzoate, and Methoxy-Substituted Trityl Chlorides in the Presence of Alkali Metal or Alkaline Earth Metal Perchlorates in Acetonitrile Solution"Bull. Chem,. Soc. Jpn.. 75. 1569-1576 (2002)

  • [文献書誌] T.Tachikawa, S.Tokita: "The Calculation of Electronic Spectra of Protonated Benzodixanthen Analogs"J. Photopoly. Sci. Technol.. 15. 111-114 (2002)

  • [文献書誌] H.Shiroishi, K.Suzuki, M.Seo, S.Tokia, M.Kaneko: "Development of Analyzer for Photo-luminescence Quenching in a Solid Matrix"J. Comput. Chem. Jpn.. 1. 37-46 (2002)

  • [文献書誌] H.Shiroishi, S.Tokita, M.Kaneko: "Development of Electrochemical Analyzer for Polymer-Coated Electrode"J. Comput. Chem. Jpn.. 1. 65-72 (2002)

  • [文献書誌] 時田澄男: "コンピューターケミストリーとファインケミカル"ファインケミカル. 32・3. 1-21 (2003)

  • [文献書誌] 時田澄男: "化学便覧 応用化学編 第6版 "染料・色素"p.1041-1043,(分担)"丸善. 3 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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