研究課題/領域番号 |
11450334
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
橋場 稔 岐阜大学, 工学部, 教授 (90021617)
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研究分担者 |
平松 宏一 岐阜大学, 工学部, 教授 (30021596)
櫻田 修 岐阜大学, 工学部, 助手 (10235228)
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キーワード | 炭化ケイ素 / 炭素 / 炭化ホウ素 / 鋳込み成形 / 分散 / 流動 / 高分子分散剤 / 水系 |
研究概要 |
SiCは難焼結性であるため、焼成するには焼結助剤として炭化ホウ素と共にカーボンの添加が必要である。水系鋳込み泥漿の分散と流動性の向上に、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAOH)及びスチレンマレイン酸共重合体(SM)を用いてpH11付近に調整することが有効である。そこでは部分的に酸化された表面を持つSiCはTMAOHにより、カーボンはSMの働きにより分散する。本研究では、SiCを加熱処理することにより表面の酸化層を増大させSiC泥漿の流動性の改善を検討した。酸化層が増大したSiCを焼結し十分な密度を得るためには、鋳込み泥漿中により多くのカーボンを添加する必要がある。そこで、カーボン泥漿に様々な分散剤を添加し流動性の向上を試みた。併せて、泥漿中のカーボン添加量を変化させ鋳込み成形を行い、その添加量が焼結密度に与える影響を検討した。未加熱および加熱処理後のSiCに分散剤としてTMAOHを添加した泥漿の流動曲線を測定した結果、加熱処理することにより流動性が改善されることを確認した。次に、カーボン泥漿の流動性改善のため、泥漿に種々分散剤を添加し流動曲線を測定した結果、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物のアンモニウム塩(DEMOL-AS)を分散剤として添加することにより、これまでカーボンの分散剤として使用してきたSMに比べ、極めて流動性の良好な泥漿を得ることができた。これはDEMOL-ASがナフタレン構造を有していることが原因と考えられる。カーボン添加量が焼結密度に及ぼす影響を検討するため、鋳込み泥漿中のカーボン添加量を変化させ鋳込み成形で得られた成形体を焼成し、焼結体の焼結密度を測定した結果、加熱処理したSiCを使用すると未加熱のSiCを使用した場合に比べ、十分な密度を得るには鋳込み泥漿中により多くのカーボンを添加する必要があるが、カーボン添加量を調整することで同程度の焼結密度が得られた。
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