研究課題/領域番号 |
11450341
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平尾 俊一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90116088)
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研究分担者 |
森内 敏之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60281119)
小川 昭弥 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30183031)
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キーワード | 有機アルミニウム化合物 / 有機ホウ素化合物 / 有機亜鉛化合物 / アート錯体 / オキソバナジウム / レドックス / リガンドカップリング / 還元的脱離 |
研究概要 |
有機金属化合物の酸化状態を合目的的に変えれば、結合軌道の性質が大きく変化し、対応する有機金属中間体の特性を反映した反応性が期待される。本研究では、遷移金属酸化剤のレドックス挙動および異種金属間のレドックス相互作用に対する考察より、異種金属間の一電子移動に基づく電子的相互作用を有効なものとし、有機典型金属化合物の新規な炭素-炭素結合形成を伴う酸化的変換反応を見い出した。有機アルミニウム化合物を一電子酸化能を有するオキソバナジウム(V)と反応させるとリガンドカップリングが起こることを見いだしているが、さらに、その反応経路に対し考察を加えた。また、有機アルミニウム化合物のアート錯体にも焦点をあて、リガンド選択的カップリング反応を可能にした。有機ホウ素化合物、有機ジルコニウム化合物および有機亜鉛化合物に対しても、アート錯体を含め、遷移金属酸化剤との反応で同様な酸化反応性に関する研究を展開した。例えば、有機亜鉛化合物をオキソバナジウム(V)や銀(I)試薬で酸化することにより、選択的なクロスカップリング反応が進行することを見いだした。電子的により酸化されやすいと考えられる亜鉛アート錯体をオキソバナジウムで酸化した場合、銀(I)で酸化することにより、より選択的なカップリング反応が起こった。以上のように、有機典型金属化合物における形式的な還元的脱離のための合成手法が可能になった。さらに、分子軌道計算に基づき、異種金属化合物間の相互作用を考察した。
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