研究課題/領域番号 |
11450344
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
土井 隆行 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (90212076)
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研究分担者 |
高橋 孝志 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80110724)
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キーワード | 不斉水素化 / 溝呂木-Heck反応 / 固相合成 / 非天然型ペプチド / コンビナトリアルライブラリー |
研究概要 |
ペプチドとタンパク質は、生体制御に重要な役割を果たしている。しかしながら、その分子レベルでの詳細な機能については未知な部分が多い。この機能未知のタンパクに対して機能を有する物質を創製するためには、多種の化合物を一度に合成し、その活性を調べ、優れたもののみを選別する手法の開発が重要と考えた。そこで非天然型アミノ酸をペプチドミミックの合成に利用するために非天然型のアミノ酸を自在に合成し、これをペプチド鎖の任意の位置に導入することができれば非常に有用と考えた。本研究を通じ独自に開発した以下の手法を用い、実際に非天然型アミノ酸を含むペプチドライブラリーの構築を試みた。固相担体にはポリスチレンのグラフトポリマーを有するピンを用いた。化合物の同定を容易にするため、Radiofrequencyタグを用い、スプリット&ミックス法によるライブラリー構築を行った。まず、固相上でHorner-Emmonds反応を行いデヒドロアラニンを合成し、続いてパラジウム触媒を用いた溝呂木-Heck反応による炭素-炭素結合形成を行った。さらにロジウム触媒を用いる不斉水素化により、不斉面を制御し、アミノ酸3種、ヨウ化アリール6種、不斉面選択2種からなる計38種のジおよびトリペプチドを一挙にかつ純粋に合成しわけることに成功した。さらにそれぞれのジアステレオマーをすべて合成することで得られた化合物の分析を簡便にすることができた。この手法は化合物ライブラリーの構築法として有用なばかりか新規反応の適用範囲を効率よく調べることができる点で意義深いと考えている。
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