研究課題/領域番号 |
11450345
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
植村 榮 京都大学, 工学研究科, 教授 (70027069)
|
研究分担者 |
西林 仁昭 京都大学, 工学研究科, 助手 (40282579)
大江 浩一 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90213636)
|
キーワード | 酢酸パラジウム / ハイドロタルサイト / 酸素 / アルコール酸化 / パラジウム(II)-ハイドロタルサイト / アリル位アルコール / 粘土触媒 / ピリジン |
研究概要 |
パラジウム(II)塩を触媒とし、常圧酸素を酸化剤とするアルコールの対応するカルボニル化合物への均一系における変換反応を先に見出し、報告してきたが、本年度においてはこの触媒を粘土に固定して用い得るかどうかを検討した。即ち、塩基性粘土であるハイドロタルサイト[Mg_6Al_2(OH)_<16>CO_3・4H_2O]と酢酸パラジウムとピリジンを反応させ、新規な化合物であるパラジウム(II)-ハイドロタルサイトを合成し、そのキャラクタリゼーションを行った。この化合物を触媒としてトルエン中でアルコール酸化を行い、一級および二級アルコールからそれぞれ対応するアルデヒドおよびケトンを高収率でかつ高選択的に得ることに成功した。この触媒はろ過、洗浄、乾燥という簡単な操作で少なくとも5回の再使用が可能であった。また、他部位に不飽和結合をもつアリル位アルコール(ゲラニオールやネロールなど)の酸化では均一系触媒の場合にはアリル位二重結合部位で異性化を大きく起こすのに対し、この不均一系固体触媒では全く異性化を起こさないことが分かり、有機合成化学上有用な触媒となる可能性が非常に高いことを明らかにした。
|