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2000 年度 実績報告書

アロステリズムを利用する非線形の化学情報伝達に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11450349
研究機関九州大学

研究代表者

新海 征治  九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20038045)

研究分担者 池田 篤志  九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (90274505)
竹内 正之  九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (70264083)
キーワードアロステリズム / シグナル増幅 / ポルフィリン / 糖質 / ボロン酸 / ダブルデッカー型錯体
研究概要

ランタノイド系列の金属を2枚のポルフィリン環でつないだ形状を有するポルフィリンダブルデッカー型錯体について検討を行った。すでにCe(IV)ポルフィリンダブルデッカー型錯体を用いたジカルボン酸類の正のアロステリックな認識に成功した(Angew.Chem.Int.Ed.,Vol.37(No.15)2096-2099(1998))。
アロステリックホスト分子としてのCe(IV)ダブルデッカー型錯体のScaffoldとしての妥当性および一般性を確かめるために、種々の官能基の導入とアロステリックな分子認識能について、各種分光法(NMR,UV-Vis,円二色性,蛍光,マススペクトル)を用いて認識情報が非線形に得られるかを確かめた。
ゲスト分子として金属イオン(銀イオン)を選び検討を行ったところ、ダブルデッカー型錯体に3当量の銀イオンが協同的に捕捉されることを見いだした。カチオンが一分子のホストに複数個取り込まれる系は珍しく、現在その機構について詳細に検討している最中である。また糖質と親和性のあるボロン酸をCe(IV)ポルフィリンダブルデッカー型錯体に導入したところ、世界で初めてオリゴ糖を認識することに成功した。この結果は、アロステリズムが発現しないホスト分子では得られないことから、アロステリズムによる、シグナルおよび錯形成定数の増幅が深く関与していると考えられる。現在、本系を生理活性オリゴ糖の認識へと展開している最中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] M.Ikeda et al.: "Allosteric Silver (I) Ion Binding with Peripheral π Clefts of a Ce (IV) Double Decker"Organic letters. 2. 1803-1805 (2000)

  • [文献書誌] M.Ikeda et al.: "Strong Positive Allosterism Which Appears in Molecular Recognition with Cerium (IV) Double Decker Porphyrins : Correlation between the Number of Binding Sites and Hill Coefficients"Supramolecular Chemistry. 11(In press). (2000)

  • [文献書誌] A.Sugasaki et al.: "The First Example of Positive Allosterism in an Aqueous Saccharide-Binding System Designed on a Ce (IV) Bis (porphyrinate) Double Decker Scaffold"Tetrahedoron. 56. 4717-4723 (2000)

  • [文献書誌] A.Sugasaki et al.: "Novel Oligosaccharide Binding to Ce^N Bis (porphyrinate) Double Decker : Effective Amplification of Binding Signal through Positive Homotropic Allosterism"Angewandte Chemie International Edition. 39. 3839-3842 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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