研究課題/領域番号 |
11450349
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
新海 征治 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20038045)
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研究分担者 |
池田 篤志 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (90274505)
竹内 正之 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (70264083)
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キーワード | アリステリズム / 非線形応答 / 情報伝達 / ポルフィリン / ダブルデッカー型錯体 |
研究概要 |
アロステリズムを分子認識系に組み込むための指針として、回転軸周りに論理的に認識部位を配置するという我々の作業仮説が正しいかを検討するために、ダブルデッカー型ポルフィリン錯体を基本骨格として選び、種々の分子認識系を構築してきた。本年度は、ゲストイオンあるいは分子として、カリウムイオン、アミン誘導体、アニオン、ガン関連糖鎖抗原であるルイス糖類を選び、それぞれ対応する認識部位をダブルデッカー型ポルフィリン錯体に導入した。その結果、(1)弱い化学・物理シグナルの増幅、(2)ゲスト分子に対する選択性、感度の向上にアロステリズムが非常に有効であることが明瞭に示された。特にボロン酸誘導体を導入した化合物においては、我々のグループで行ってきたボロン酸を用いた糖質認識化学に新たに正のアロステリズムという概念を加えたことになる。その結果、従来の手法では認識することが非常に困難であったマルトオリゴ糖、ラミナリオリゴ糖などのオリゴ糖鎖のセンシングが可能であることを世界に先駆けて示すことに成功した。さらにボロン酸を導入したダブルデッカー型ポルフィリン錯体は単糖よりもオリゴ糖に対して高い親和性を示し、アロステリズムを発現しない化合物に比べて、認識に伴うシグナル強度が約18倍にも増幅されることが明らかとなった。驚くべき事に細胞接着に重要でありかつガン関連糖鎖抗原であるルイスオリゴ糖類を世界で初めて「水中」かつ「人工合成分子」で認識することに成功した。
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