研究課題/領域番号 |
11450359
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
西 則雄 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (70001857)
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研究分担者 |
野水 基義 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (00311522)
覚知 豊次 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (80113538)
坂入 信夫 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (60153863)
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キーワード | 環境ホルモン / 生体高分子系複合素材 / DNA / シクロデキストリン / ダイオキシン / PCB / ビスフェノールA / 濃縮・分離システム |
研究概要 |
我々の研究グループでは、廃棄され、利用されていない生物資源中の生体高分子成分を有効利用して、人間や地球環境に優しい素材の開発を目指している。サケ白子中のDNA、カニ殻・エビ殻中のキチン・キトサン、牛皮・牛骨・サケ皮からのコラーゲン、褐藻類からのアルギン酸等と、シクロデキストリン、ペプチド等とを複合化させ、様々な機能性素材を開発してきた。本研究ではDNAを中心とする生体高分子系複合素材を調整し、これらによる環境ホルモン類の取り込みを、吸収スペクトル、CD等、主として分光学的手法で調べ、これらの素材による環境ホルモン類の濃縮・分離システム開発のための基礎研究を行った。昨年度(平成11年度)は主として、 (1)DNA含有複合素材による環境ホルモン濃縮・分離効果の検討 (2)環状オリゴ糖含有複合素材による環境ホルモンの濃縮と分離、を行った。本年度は上記(1)に関連して、紫外線照射により不溶化させたDNAフィルムの構造や物性を調べ、このフィルムへの環境ホルモン類の取り込みを詳しく検討した。このDNAフィルムはDNA分子間の架橋により巨大な分子を形成しているが天然型の構造を保持しており、ヌクレアーゼ耐性になっている。環境ホルモン類のうち平面構造をとるダイオキシン、PCB、ベンツピレン等はインターカレーション様式で、このDNAフィルムに取り込まれるが、一方平面構造をとらないビスフェノールA等は全く取り込まれず、基質特異性が極めて高いことがわかった。ミルク中に含まれるダイオキシン、PCBの除去等、高い選択性が要求される目的に応用可能と考えられる。
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