研究課題/領域番号 |
11450361
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
増子 徹 山形大学, 工学部, 教授 (40007216)
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研究分担者 |
和泉 義信 山形大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30002158)
米竹 孝一郎 山形大学, 工学部, 助教授 (30143085)
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キーワード | ポリ(L-ラクチド) / ポリエチレンサクシネート / 球晶構造 / トランスクリスタル構造 / X線回折 / 等温結晶化 / ラメラ微結晶 / 延伸配向 |
研究概要 |
本年度は、生分解性ポリエステルの一種ポリ(L-ラクチド)(以下PLLAと略す)の特殊凝集構造について詳しく検討を行った。既に、予備実験でテフロンシートに挟みながら等温結晶化させるとPLLAのトランスクリスタル構造が形成されることを見出したが、更に形成条件を追求した。 一方、トランスクリスタルの成長方向は、フィルム面に垂直であるが、X線回折実験からこの成長方向は結晶b軸に平行であることを確認した。結晶c軸(分子鎖の方向)とa軸は、膜面に平行になっている。 このトランスクリスタル試料は、結晶性が高いが、適切な温度で配向をさせると11倍まで延伸することが可能であった。通常の球晶構造では、球晶径が大きくなると殆ど延伸させることが不可能である。このように高結晶性にもかかわらず延伸可能であるのは、ラメラ微結晶界面が膜面に垂直になり、数多くのタイ分子がトランスクリスタル構造内部に存在するためと思われる。 PLLAを用いて微細構造の典型的な形、シシカバブ構造を回転粘度計内の等温剪断結晶化により作製しようとしたが、温度制御が上手くいかず、次年度の検討課題として残った。しかし、本年度の予算配分で必要機材を導入出来ており、また、剪断結晶化における問題点をかなり把握したので、次年度は構造評価に適切なシシカバブ試料を作成して、電子顕微鏡による検討を行う予定である。 別な生分解性脂肪族ポリエステル、ポリエチレンサクシネート(PES)は、等温結晶化実験を平行して進め、結晶化分子パラメーターを求めた。このパラメータの内、ラメラ晶表面自由エネルギーはPESの平均分子量に依存して大きくなることを見出している。
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